お題「ゾッとした話」

今週のお題「ゾッとした話」

 

何年前の出来事なのかもう覚えてないですが、たぶん十数年前とかになるかもしれません。

 

寝ている時に金縛りにあいまして、金縛りというのは体は寝ているけど脳は起きている状態だとか言われていたりしますよね。

 

その感覚は「うん、うん、分かる」って自分自身でも思ったりします。でもそういう時頭では分かっていても体が無理やり金縛りを解こうとしてしまうんです。自然と。

 

ある時は激務に疲れすぎていて解くのを諦めて「まぁ~いいや」と寝てしまったこともあるんですがね。

 

ある日の金縛りだけは違ったんだ。

 

自分の体の上に何かとても重い何かが乗っている感覚。

 

苦しくて苦しくて目が覚める。

 

首を絞められている感覚。

 

恐怖もあったけど苦しさのあまり目を開けるとそこには誰もいない。私には霊感などはないので、ただ私がベッドの上で一人苦しんでいるだけだった。

 

何か怒りにも似た何かが私に向かってくる感覚。とにかく重く苦しい。

 

動かない体を無理に動かすも力が足りずに解けない。重くて苦しい、とにかく苦しい。首を絞められている感覚。何かが両手で私の首を絞めている感覚がありとんでもなく苦しい。

 

なんかいつもと違う気がする。

 

もぞもぞ動いて眠っている体をたたき起こす。このままではタヒぬ。

 

何か霊的なものを感じたら「私は何もできない」と念じるといいと聞いたので、「何もできないんだってばぁーーー!!!」と念じながら力の限り体を左側に思いっきり向けたら、クローゼットのドアに「ドン」と何かが思いっきりぶつかる音がした。

 

何かを吹っ飛ばした。

 

急に体が軽くなる。

 

静かな深夜に何かがクローゼットのドアに思いっきりぶつかる音。

 

「なんだ、今の音は?」

 

「空耳?」

 

「いや、そんなばかな」

 

その当時部屋の電気はLEDではなくて蛍光灯だったんですが、延長の紐を取り付けていました。

 

フッと見ると触れたわけでもないのに大きく円を描くようにクルクル回っている紐。

 

部屋の中を見渡しても誰もいない。

 

寝ぼけているのかこれは夢なのかと…漫画かよとか思ったけど自分の顔思いっきりつねってみた。

 

「痛い」

 

「めっちゃ痛い」

 

当たり前である。夢ではない。

 

とても大きな怒りみたいなものをぶつけられているような感覚でした。

 

恨みを買うようなことをした覚えもなく(だってその当時から友達も親しくしている人もいないぼっちですから)。

 

ただただ不気味さと恐怖だけが残りました。

 

怖くて怖くて布団かぶって小さく丸まって、「早く寝ろ、早く寝ろ、早く寝てしまえ!朝になればきっといつも通りのはずだ…」と恐怖に震えながら寝ました。

 

もういっそのこと「気絶してくれ自分」と思った。

 

二度と経験したくない。