恒川光太郎さんの作品も良いのですが、新しく開拓したいので別の作家さんの本を読みました。
「記憶屋」織守きょうやさんの作品です。
いつも表紙やタイトルを見て読む本を選んだりするのですが、あらすじ読んでたら気になってしまって、今回はこの本をチョイスしてみました。
「忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人、「記憶屋」主人公の遼一は信じてなどいなかったが、ある日突然大切な人の記憶が消えてしまって・・・」
年下の幼馴染にはじまり、想いを寄せる先輩の杏子。
大切な人達の記憶が消えてしまい、はじめは信じていなかった主人公も、次第に都市伝説の怪人は本当にいるのでは?と、調べ始めるのですが、想いを寄せている杏子はトラウマを抱えていて、そのトラウマを一緒に克服していこうとするのだけど、主人公のやり方が結構強引すぎてというのと、出会って間もないのにここまでするの?と、主人公にはちょっとイラつきもしたんですけど。(それくら杏子が可哀想で、可哀想で)
自分的には大きな解決出来ない(出来そうもない)悩みや、トラウマも第三者から見ると、こんなにも軽く見えるのだなぁと、個人的に生きづらさを感じながら生きている自分は読んでいて、多少イラっとモヤっとしながらも「なるほどなぁ」と、気付かされる部分もあったりなどしました。
実際の現実もきっと周りから見れば、深刻な悩みもこんな感じに捉えられているのだろうなと思ったりしました。
相手を想ってというよりも、「自分」という感じの主人公が話が進むにつれて、その事にも気付いていくのですが・・・
調べていくうちに色々な人達と出会い、話をするんだけど、「忘れたい記憶を消す」のがいいのか悪いのかなんて、結局どちらが正しいとかの話でもないのだと思うし、答えを求めるだけ野暮というもの。
途中まではわりと楽しく読めていたんです。
土曜日は読書する時間を、いつもより多めにとってガッツリ読み進める事が出来たので、いつもより早く感想も書く事が出来たのですが。
織守さんの文章は読みやすく、小説を読みなれていない人でも読みやすい本だと思います。
ライトノベルのような感じだなと、読んでいて思いました。
ただね、途中からだいたい「記憶屋」の正体なども何となく分かってしまうのと、ラストは本当にそのラストしか用意できなかったんですかね(?)となった。
読み終わってこんなにも深いため息が出る作品って、私はあまり小説を今まで読んでこなかったので、はじめてでした。
この作品は哀しいくらいに悲しい、そんな感情しか湧いてこなかった。
全4巻からなるお話のようなので、全て読んだらこの作品の「良さ」みたいなものが、分かるのだろうか?などと、一瞬思ったりもしたんだけど、この感情を引きずって2巻目には手が伸びませんでした。
角川ホラーだけど、怖い話ではないです。
「都市伝説」なんて興味をそそる題材ですよね。思わず手にしてしまいました。
けど、正直もういいやって感じでした。他の本を読む。
この作品は映画化もされていたんですね。全然知らなかった。
考えさせられる内容ではあるとは思うけど、正直私の中には哀しいくらいに悲しいという、感情しか残らない残念な作品だった。
これじゃぁ、2巻には手が伸びない。
途中まで面白かっただけに何だか残念だった。
これが私の正直な感想。
今年は小説を100冊読む→あと94冊。
最終更新日:2023/12/31
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